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判例分析

判例分析介護事故の判例 東京地裁平成24年5月30日判決

  <事故の概要>
   ショートステイ利用中のAが、明け方にベッドから転落し、頭部打撲から脳挫傷となった事案。
  <裁判所の判断>
   裁判所は施設の注意義務違反を認めず請求を棄却した。
  <考察>
   本件では夜間徘徊があるなど、転倒の予見可能性は認識されていた。しかし事業者は転落を防止するために転落防止柵の設置、離床センサーの設置及び対応、二時間おきの定期巡回、転落後の経過観察など考え得ることはすべて行っている。
   次にこの事業所は、Aさんは転倒・転落のリスクが高いとして、ショートステイの途中退所や睡眠剤の導入などについて介護支援専門員に相談していた。ショートステイは特養ホームなどとは違い短期間の利用であり、自宅と生活環境が大きくかわるために、認知症高齢者のアセスメント・モニタリングが難しく、事故が発生しやすい。特に初回利用の場合、その介護事故やトラブルのリスクは大きい。当該事業所で必要な対策をとると同時に、外部のケアマネジャーとも連携・報告し、転倒転落事故を回避しようと努力していたことが評価された。
   人員配置についても、裁判所は、当該事業所のスタッフ配置は指定基準以上のものであり、利用者との間で交わされた短期入所生活介護契約で示された職員体制に照らして不十分とは言えないとしている。指定基準と利用契約で示された基準に合致していれば、法律違反ではないと判断した。指定基準に合致しているからよいというのではなく、契約・指定基準両方の基準を満たしていなければならない。