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医療過誤解決事例報告

腹部大動脈瘤破裂で死亡した事案

仙台地裁平成12年ワ第・・・号
被告 民間総合病院
平成13年11月12日和解成立

事案の概要
 患者は71歳男性。平成10年10月21日被告病院受診。他院で撮影したCTで大動脈瘤(9×8㎝)と診断。大動脈瘤切除人工血管置換術施行予定。同年11月21日から腹痛。翌22日午前8時被告病院受診。仰臥していられないほどの腹部激痛と圧痛あるも貧血所見なし、超音波検査で血腫なし(CTは実施せず)入院での経過観察指示。鎮痛剤に全く反応せず腹部激痛持続。同日12時30分バイタル急速に悪化。13時35分心停止、14時25分死亡宣告。

争点
 ①大動脈瘤破裂の時期、②大動脈瘤破裂が確認できない場合でも一般的に大動脈瘤切迫破裂との診断で大動脈瘤切除人工血管置換術を施行することがあるか、③大動瘤切除術を予定していた患者が腹部激痛で救急受診したという本ケースでは大動脈瘤切迫破裂との診断で大動脈瘤切除人工血管置換術を施行すべきか、④本件は大動脈瘤切迫破裂症状と言えるか、⑤CT検査を行えば大動脈瘤破裂ないし大動脈瘤切迫破裂との診断をより的確になしえたか

経過
 被告は大動脈瘤切除術は大動脈瘤破裂が確認された場合に行うべきもので切迫破裂などという概念はない、本件で破裂が確認されたのは12時30分だから手術は不可能と主張。原告から私的鑑定書提出し、被告も提出予定であったが裁判所から私的鑑定を双方から出されても裁判所は判断できず裁判所の鑑定をやることになるのだからとして被告に鑑定申請するよう勧告。裁判所の鑑定結果は玉虫色で要領を得ないものだったが必ずしも不利なものでもなかった。裁判所から和解勧告。被告600万円提示。和解拒否。判決が予定されたがその後被告から2000万円で和解の打診。

結果
 2000万円で和解成立。

コメント
 本件はセンターの匿名の意見書では無責の意見であったがあえて提訴した事案。被害者の年齢考えると勝訴的和解と言えると思われる。裁判所の正式鑑定にこだわる姿勢はなんとかならないものか。