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保育事故

保育事故とは

働く女性の増加に伴い保育需要も増大していますが、保育所の中には保育態勢が不十分なところも少なくありません。そのため、保育事故も増加しています。平成21年、厚生労働省が平成16年から平成21年までの認可保育所および認可外保育施設における死亡事例を公表しました。それによると、認可保育所では19名、認可外保育施設では33名の死亡事例があったとされています。

特に、認可外保育施設での0歳児で19名の死亡が報告されています。死亡に至らなかった事故は、この何十倍にも上ると考えられます。中でも多いのは、転倒・転落事故、誤飲・誤嚥事故、溺水事故、やけど・熱中症などです。このほか、遊具による事故や園児同士のトラブルによる事故も起きています。

事故が起きてしまった場合に十分な補償がなされているかといえば、必ずしもそうではありません。
独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付、施設が加入する賠償責任保険、保護者が加入する傷害保険などがありますが、共済給付や傷害保険には限度額がありますし、賠償責任保険は施設に過失があることが前提で、過失を争われる場合もあります。事故が起きてしまった場合の相談窓口を整備し、事例を収集・分析して事故防止に役立てると同時に、簡易迅速な被害回復が図られる必要があります。
厚生労働省も「教育・保育施設等における事故防止および事故発生時の対応のためのガイドライン」を作るなどして保育事故防止を図っていますが、保育の現場ではまだまだ取組が十分とは言えません。