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介護事故の判例 東京地裁平成15年3月20日判決

  <事案の概要>
   自立歩行可能な中程度の認知症の利用者を自宅まで送った運転者が、送迎バスから降りるための踏み台を片付け、ドアを閉めて施錠する作業をしている間に、利用者が転倒して骨折した。
  <裁判所の判断>
   616万円の損害賠償を認容。
  <考察>
   やや厳しい判断とも思えるが、利用者を自宅内に送り届けた後に踏み台の片付けやドアの開閉を行うべきであった。容易に結果回避が可能であった点が重視されたと思われる。本件は送り届けた際の事故だが、同じことは迎えの際にも言える。利用者を送迎車の脇に立たせてから踏み台を取り出すのではなく、踏み台をセットした上で利用者を迎えに行くべき。転倒が予想される利用者については、乗降時には必ず両手を空けてふらつきなどに対応しうる状態にあることが要求されていると言える。
  <関連する問題>
   なお送迎時の移動介助環境が悪い場合は介護事業者は利用者とケアマネージャーに改善を要求し、危険が改善されない場合は安全なサービス提供ができないものとしてサービス提供を断ることも検討されるべき。
例えば門から玄関までの通路に段差や障害物があってがあり車椅子が使えず歩行介助にも危険がある場合、飼い犬が送迎時に放し飼いになっているような場合は、それを放置して事故が起きれば介護事業者が責任を問われる可能性もある(当然過失相殺がなされるが責任がゼロになるとは限らない)。